合理的配慮とUD(ユニバーサルデザイン)

では、多くの人の特性に合わせて、どのような「合理的配慮」ができるのでしょうか。

「合理的配慮」とは、簡単に言うと「障害が理由で何らか支援を求める意思がある場合、過度な負担になり過ぎない範囲で、その障壁を取り除くために必要な配慮のことです。

まずは、下の絵を見てください。左の絵の場合、配慮がないために、右の子ども以外は野球を観戦することができません。そこへ、みんなに「平等(Equality)」な支援を行うと、真ん中の子どもは観戦できるようになりましたが、一番右の子どもはこれでは、観戦できません。

では、一番右の「公平」(Equity)な支援をすると、みんなが野球を観戦できるようになります。当たり前だと思いますが、一番右の人には何も支援は要りませんよね。この違いを意識するだけでも大きく違うと思います。

簡単に言うと、近視の子どもにメガネを、骨折した子どもには松葉づえを、でもそれ以外の子どもにはそれぞれの支援は要りませんよね。そのようなイメージと同じです。

次に下の絵をみてください。これは「Justice」とされているものです。直訳すると「正義」となりますが、「思いやり」や「環境の工夫」などとも考えられるのではないでしょうか。そもそも誰でも同じように見えるように塀ではなく、金網やガラスなどにするなどの支援こそが「ユニバーサルデザイン」ではないでしょうか。

つまり、個々の合理的配慮を考えることはもちろんですが、そもそも家庭の中の状況や、教室の中、会社の中の環境が、すべての人にとって使いやすい、過ごしやすいという点を意識することが必要だと思います。

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