レストランでの大学生の様子

大学生の例を考えて見ましょう。仲の良い友人と一緒にファミリーレストランで食事をしている様子です。

Aさんはもちろん,周りの友人も困ってしまいました。これまでは,子ども理解をテーマに話を進めてきました。当たり前のことですが,子どもはいずれ大人になります。つまり,発達障害をはじめとするさまざまな原因によって起こる困り感を感じ続けて生活している大人もたくさんいるはずです。

ある調査によれば子どもの1割は発達障害の疑いがあると言われています。なかにはADHDの多動性のように年齢があがると落ち着くと言われているものもありますが,発達障害などが原因で起こる困り感のほとんどが,大人になっても自然には解決しないと思います。なぜなら,発達障害は脳が原因だと言われているため,「治る」ものではないからです。つまり,本人や周りが困り感に気づき,対応しないと変わらないのです。

※ここで述べているのはあくまで「困り感」です。医師による診断が必要であるという認識でもありませんし,自己理解のために必ずしも発達障害を受け入れなければならないということでもありません。普段の生活などで何に困っているかという具体的な問題です。

Aさんは普段なんとなく生活する上で予想されること以外の変化を嫌います。よく言う,「急な予定変更が苦手」です。それはAさんが周りから予定を変えられることもそうですが,自分から相手に新しく何かを提案したり,話題を向けたりすることも苦手です。このように「新規発言」が苦手な私も,社会で生活する上で,少しずつ慣れることができました。つまり,いろいろなことを経験することで,予想できるパターンが増えたからです。なので,お店で店員さんに声をかけるのも,今ではストレスなくできます。しかし,このときの私は,違いました。ファミリーレストランで店員さんに声をかけるときは,「入店して人数を言う」,「注文をする」,「お会計をする」というパターンしかなかったからです。しかも,自分で言う内容を整理する間もなく,友人が店員さんを呼んでしまったからなおさらです。私はとっさに「なんで,おれのだけこーへんねん!」と言ってしまいました。これは,これまでの経験から普段話している関西弁だとなぜか気の知れた友人のように話すことができたからです。現在35歳の私は,マンガの大学生の頃のように話すことはありませんが,お店に対して注文をつけたり,クレームを言ったりすることは苦手です。また,店員さんとはなぜか関西弁で話すことが多いです。

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